19歳の時でした。
両親の離婚などもあり、自暴自棄になった私は、学校も辞め、
母親と暮らすために1日3つのバイトをかけ持つ日々を過ごしていた。
バイトは働くだけお金になる。
とりあえず、毎日を生きていくために金を稼ぐことだけに懸命になった。
体力まかせに3つものろくに眠りもせずバイトでも月になると、いいお金になった。
父がいた頃より自分の好きなものも買えた。
母親を初めての飛行機にも乗せられた。
そんな時、一人で旅行に行こうと家にあった
ペンタックスのたしか・・・MZ5。
それまでカメラなんて触ったことないのに一眼を持って旅に行くというのは
当時の自分なりの恰好つけなのだったのかな。
宿の予約もせず、電車のチケットも事前に買わず、
当時、携帯もなかった。
ただ鳥取砂丘と植田正治写真美術館に行こうと困ったっていい。
思ったときには出発していた。
そう植田正治という写真家さんが大好きだ。
その話はまた後程。こんな写真を残した偉人。
一人旅はだいぶ前なのでもう記憶も定かではないが、
不安と嬉しさがあったのを覚えている。
そうそう忘れちゃいけないのは
スキットルボトルに飲めもしないウイスキーを入れてもっていったんだった。
久しぶりに本棚から取り出してみた。
とてもいい思い出でしかない。
あの時の美味しくもないウイスキーの味、
嗚呼、懐かしい。
電車に揺られながら現実から逃げられることだけに優越感を感じて電車は進んだ。
その後、迷子になることも知らずに、、、。